「千駄木の鴎外と漱石~二人の交流と作品を歩く」
「千駄木」での鴎外と漱石の最大の接点は、時期を異にして住んだ「駒込千駄木町57番地の家(通称:猫の家)」
森鴎外(1862-1922)と夏目漱石(1867-1916)は、明治を代表する文豪です。同時代を生きた二人は、近代日本文学の双璧としてよく比較されてきました。例えば、鴎外は島根県津和野町出身で明治維新後に東京に上京しましたが、漱石は生まれも育ちも東京で生粋の江戸っ子です。また鴎外は22歳でドイツへ、漱石は33歳でイギリスに留学しました。さらには鴎外が陸軍軍医として「官」に生きたのに対し、漱石は「民」の立場に在ったなど、比べれば限りがありません。しかし、「千駄木」という場所を通してみると、二人の足跡の交わりが見えてきます。
鴎外と漱石が顔を合わせたのは数回ですが、本展では二人の接点を振り返り、千駄木をキーワードにその交流と作品を紹介します。自著を贈るやり取り、そして時期を異にして二人が住んだ「駒込千駄木町五十七番地の家」の歴史、次いで鴎外『青年』、漱石『吾輩は猫である』『三四郎』に代表される千駄木を舞台にした作品の登場人物たちの交錯を、書簡や原稿、献呈本などとあわせて展覧します。
展覧会を見終えて記念館を出た後、千駄木の街が来た時と少し違って見えるかもしれません。千駄木に刻まれた鴎外と漱石の記憶をぜひご覧ください。
「千駄木の鴎外と漱石~二人の交流と作品を歩く」情報
イベント名 | 「千駄木の鴎外と漱石~二人の交流と作品を歩く」
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日時 | 2023/10/07〜2024/01/14 |
会場 | 文京区立森鴎外記念館 展示室1、2 |
開館時間 | 10時~18時(最終入館は17時30分) |
休館日 | 10月24日(火)・11月28日(火)・12月26日(火)~1月3日(水) |
観覧料 | 一般600円(20名以上の団体:480円) |
監修 | 山崎一穎(跡見学園女子大学名誉教授、森鴎外記念館(津和野)館長、森鴎外記念会顧問)、中島国彦(早稲田大学名誉教授、日本近代文学館理事長、全国文学館協議会会長) |
出品協力 | 株式会社岩波書店、川島幸希、県立神奈川近代文学館、公益財団法人虚子記念文学館、公益財団法人日本近代文学館、東京大学総合図書館、文京ふるさと歴史館 |