南谷寺は、文京区本駒込1丁目にある天台宗の寺院です。元和2年（1616年）に比叡山の南谷にいた万行律師によって開かれました。万行律師は、伊勢国（現在の三重県）の赤目山で不動明王像を授かり、その後江戸の下駒込の地に庵を結び、不道明像安置したとされています。
この不動明王に対する対する人々の信仰は篤く、当時の不動堂の前の坂は不動坂と呼ばれ、現在でも「動坂」と呼ばれる坂となっています。
寛永5年（1628年）には三代将軍・徳川家光によって現在の地に移され「大聖東朝院」と号するようになり、天明8年（1788年）に上野の寛永寺の直末寺となると万行律師の出身地である比叡山南谷に由来した「南谷寺」の寺号を与えられました。