文京区・湯島にある由緒正しき老舗へ
文京つーしんライターのSACHICOです。今回は、文京区にある名店シリーズ第一弾!ということで、湯島の老舗をご紹介したいと思います。
文京区にはさまざまな実力派飲食店がありますが、なかでも歴史ある老舗が多いエリアが湯島ですね。懐石料理店や和菓子店、居酒屋などの老舗が多く、なかには江戸時代に創業したという店も! 今年1月に惜しまれながら閉店したすき焼き専門店「江知勝」は、芥川龍之介や夏目漱石、森鴎外などの文豪にも愛された名店として知られていました。
そんな由緒正しき老舗が軒を連ねる湯島で、今回SACHIKOが訪れたのが「井泉 本店(いせん ほんてん)」さんです。
かつての花街に佇む名店がココ!
「井泉 本店」があるのは、地下鉄千代田線湯島駅から徒歩3分、地下鉄銀座線上野広小路駅から徒歩1分。大通りである春日通りから細い路地に入った場所にあります。この界隈はかつて下谷(したや)と呼ばれ、花街として賑わっていたとか。この通りも、柳の枝垂れる黒塀が続き、人力車が行き交う横丁だったと言います。
そんな情緒あふれる横丁の風情を残す「井泉 本店」は、昭和5(1930)年に創業したそうです。創業当時は“お座敷洋食の店”として親しまれ、花街の絶世期にはお座敷遊びも行われていたとか。ちなみに写真では入り口に白い麻の暖簾がかかっておりますが、こちらは夏仕様で、それ以外の季節は紺色なのだとか。花柳界で愛されていただけあり、とんかつ屋さんでありながら粋なしつらえがなされているのが素敵です!
古き良き昭和の雰囲気が残る店内
店内に入ると、広い厨房が目に飛び込んできます。SACHIKOは料理人の仕事が見られるカウンター席をキープ。こちらのお店はアイドルタイムなしの通し営業なのですが、このときは14時頃という比較的すいている時間だったのですが、カウンターで1人でとんかつを堪能するおじさまや、テーブル席で昼飲みを楽しむおばさま方もいて、なんだか大人な雰囲気! 2階には下谷芸者衆が踊ったお座敷席のほかに、大部屋や小部屋のお座敷があるそうです。メインの入り口の脇に細い通路のような入り口があったので、お座敷のお客さんは直接そちらから入店するのかもしれません。なんだか料亭のようでテンションが上がります!
写真では少し分かりづらいですが、厨房の中には余計なものはなく、きれいに片付いていて清潔です。高下駄のような小さなまな板はとんかつ専用のようで、使い込まれている感じが老舗らしい!と注文する前から期待が高まります。
定番メニューのヒレかつ定食を注文
SACHIKOが注文したのは、お品書きの一番先頭にあり、おそらく最もスタンダードなメニューであるヒレかつ定食(税抜1730円)。ほかにもロース定食やエビフライやホタテフライも付いた盛り合わせ定食などがありました。定食のほかに単品のとんかつ、オムレツ、ポークソテーなど昭和の洋食店らしい一品料理もありました。
注文を終えると、急須で冷たいお茶がでてきました。急須にも湯飲みにも店名が書かれています。お茶を飲みながら料理を待ちます。この時点で、空腹MAXなSACHIKO。今なら二人前くらいいけそうな気がします……!
注文が入ってからお肉に衣を丁寧につけ、油(おそらくラードも)入った大きな鍋に投入。ジュワ~ッといういい音が静かな店内に広がります。揚げたてのかつを例の高下駄のような木のまな板でサクッサクッと手際よく切り、盛り付け。定食にはご飯、豚汁、お漬物が付いているのですが、豚汁を鍋からよそう際に料理人さんが味見をし、お湯を足していました。煮詰って味が濃くならないよう、微調整をしているのですね。
柔らかい絶品とんかつをいざ、実食!
あっという間に料理が運ばれてきました! 幸せすぎる眺め……。もちろん揚げたてのアツアツです。猫舌の方はもれなくヤケドしますので、ご注意を。
このお店のキャッチフレーズである「お箸できれるやわらかいとんかつ」は初代店主が考案したものだそうですが、そのフレーズの通りお肉はしっとり柔らかな食感。香ばしい衣がたっぷり付いていてサックサクです。豚肉の旨味がしっかりと閉じ込められているらしく、何も付けてもおいしいのにはオドロキです! 噛めば噛むほどおいしく、まったく脂っこさを感じません。このヒレかつは……間違いなく3枚くらいはいけるやつです!! 脂が多いのでとんかつはヒレのほうが好き、という方も多いと思いますが、このさっぱりとした後味なら、ロースかつでもおいしくいただけそうです。
カウンターの上には調味料セットがあり、とんかつソースのほかに塩や醤油、豚汁用と思われる七味が用意されています。SACHIKO的には、とんかつを塩や醤油でいただくのも好きなのですが、ここはやはりお店のオリジナルというとんかつソースで。創業時の昭和初期といえばウスターソースが主流だったといいますが、こちらのお店ではとんかつに合うソースを探究した結果、この特製ソースが誕生したのだとか。濃厚ながら少し酸味のあるソースはとんかつとベストマッチ!
日本初のかつサンドをおみやげに
あっという間に完食したSACHIKOですが、これで終わりではありません。こちらのお店は、かつサンドの発祥のお店としても知られているのです。なんでも初代の女将さんが、芸者さんたちにも食べやすいようにととんかつをパンに挟み、一口サイズに切って提供したのが始まりだとか。今や定番のカツサンドですが、女性ならではの気遣いから生まれた昭和のメニューだったのですね。
6切れと9切れがあるのですが、6切れ(税抜930円)をおみやげ用として注文。オリジナルのかわいいボックスに入れてくれるのも高ポイントです! テイクアウトはほかにもとんかつ弁当や幕の内弁当、かつ丼、豚汁などもありました。一品料理もテイクアウト可能だそうです。
カツサンドは時間が経ってもおいしいのが魅力ですね。しっとりしたパンとソースのしみたとんかつの組み合わせが最高で、飽きずに完食できます。次はロースかつや洋食メニューにも挑戦してみたい! お店のロゴのブタさんに再訪を誓うSACHIKOでした。
「文京つーしん」では、文京区にある今話題のお店や実力派の有名店をこれからも紹介していきます。みなさまのおすすめのお店情報などがありましたら、教えていただけるとうれしいです! コメントお待ちしております~!
井泉 本店 / 地図
◼︎ 詳細情報
店舗情報
- 店名
- 井泉 本店(いせん ほんてん)
- 電話番号
- 03-3834-2901
- 住所
- 〒113-0034 東京都文京区湯島3-40-3
- 営業時間
- 月曜~土曜 午前11時30分~午後20時50分(ラストオーダー午後20時40分) 日曜・祝日 午前11時30分~午後20時30分(ラストオーダー午後20時20分)
- 定休日
- 水曜(祝日の際は営業)
- 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 不可
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