西方土地株式会社PR
ログイン ログアウト
  • 政治
  • 財政

文京区の財政状況②。区の支出「歳出編」

投稿日:2020/08/01by 

文京区の人口統計資料によると、令和元年時点で文京区の人口はおよそ22万人となっています。これだけの多くの人口をうまく回し、より良い社会を築いていくためには文京区が様々な政策を行う必要がでてきます。そこで、今回は政策に関わる文京区の「歳出」についてまとめてみました。

 

文京区の令和元年(平成30年度)の普通会計決算について

今回は、令和元年(平成30年度)の普通会計決算を見ていきます。令和元年の文京区の歳入、歳出、繰越額は以下のようになっています。

歳入決算額 1,038億5,600万円

歳出決算額 978億600万円

次年度の繰越額 60億5,000万円

繰越額は、歳入(収入)と歳出(支出)の差額になっており、余った額は積立てて次年度に持ち越されます。

 

令和元年の歳出決算額の内訳

「歳出決済額」を大まかに分けると、「人件費」、「扶助費(ふじょひ)」、「公債費(こうさいひ)」、「投資的経費」、「その他の経費」、「他会計繰出金」に分けられます。

しかし、私たちがこの「歳出決算額」の「人件費」や「投資的経費」の金額だけをみても文京区が実際に何をして、何のためにお金が使われているのかを読み取ることはできません。

それではなぜこのような表記になっているのでしょうか。それは、東京都の会計基準が国際的な会計基準として「国際公会計基準(IPSAS)」に準じているためこのような科目で表されます。

実際にどのような政策をして、どれくらいの支出があるのかは「目的別歳出」からみることかできます。次に、「目的別歳出」について見てみましょう。

目的別歳出とは?

「目的別歳出」とは、先ほどの「歳出決算額」を行政分野ごとの目的に応じて13の区分に分類したものになります。

歳出総額が978億円であるということは変わっていませんが、支出の対象となる主な行政の目的に従って、生活・福祉の充実(民生費、労働費)、教育と文化(教育費)、土木建設(土木費)、産業の振興(農林水産業費、商工費)、保健衛生(衛生費)、警察と消防(警察費、消防費)に分けられているのでそれぞれの支出の区分がより明確になっていますね。

また、このグラフからは「総務費」、「民生費」、「教育費」といった項目が多くの割合を占めていることがわかります。

では、それぞれの項目はどのような内容なのでしょうか。

 

「目的別歳出」の各項目について

目的別歳出の各項目は、以下の13の区分に分かれています。

1. 議会費、2. 総務費、3. 民生費、4. 衛生費、5. 労働費、6. 農林水産費、7. 商工費、8. 土木費、9. 消防費、10. 教育費、11. 災害復興費、12. 公債費、13. 諸支出金

このうちの「6. 農林水産費」、「11. 災害復興費」、「13. 諸支出金」の3項目は記載されていません。

「目的別歳出」の各項目の内容

それでは、それぞれの費用はどのような内容なのでしょうか。30年度の歳出額を見ながら項目をみていきましょう。

1. 議会費(6億円 歳出全体の0.6%)

議会費は、国や地方自治体の歳出で議員の報酬などに使われる費用になります。

区議会は、議決機関として区民を代表する議員が、文京区政全般について区民に代わって論議し、意思決定を行います。区議会の役割としては、条例の制定、予算の決定、決算の認定、請願の審議、意見書の提出、調査権、同意権など多くの権限があります。

 

2. 総務費(122億円 歳出全体の12.5%)

総務費(そうむひ)は、国や地方自治体の歳出で公務員の給与などに使われる費用になります。総務費には、庁舎・区民施設の維持や、戸籍証明事務費用やシステムの保守などの費用も含まれます。文京区の30年度の決算では、シビックセンター非常用発電設備の増設工事や用地取得等により、前年度から10億円、8.9%増の122億円となりました。

 

3. 民生費(430億円 歳出全体の44.0%)

民生費とは、社会福祉の充実を図るため、児童、高齢者、障害者等のための福祉施設の整備及び運営、生活保護の実施等の施策を行うための費用になります。

文京区の30年度決算では、私立認可保育園の運営補助や高齢者施設の改修工事等により、前年度から25億円、6.2%増の430億円となりました。

 

4. 衛生費(73億円 歳出全体の7.4%)

衛生費は、住民の健康を保持増進し、生活環境の改善を図るための費用になります。医療、公衆衛生、精神衛生等に係る対策を推進するとともに、ごみなど一般廃棄物の収集・処理等、住民の日常生活に密着した諸施策を行うために用いられます。

 

5. 労働費(2億円 歳出全体の0.2%)

労働費は、失業対策や勤労者のための各種施設の設置、管理にかかる経費です。労働費の目的別内訳は失業者対策費、金融対策、福祉対策、職業訓練等に要する経費が含まれます。失業や福祉に関する費用のため民生費と共に「生活・福祉の充実」に関わってきます。

 

6. 農林水産費(記載されていないため省略します)

 

7. 商工費(6億円 歳出全体の0.5%)

商工費は、地域における商工業の振興とその経営の強化等を図るため、中小企業の経営力・技術力の向上、地域エネルギー事業の推進、企業誘致、消費流通対策等様々な施策を行うための費用です。一般的には、農林水産費と合わせて産業の復興に使われるお金になります。

 

8. 土木費(92億円 歳出全体の9.4%)

土木費は、地域の基盤整備を図るため、道路、河川、住宅、公園等の公共施設の建設、整備等を行うとともに、これらの施設の維持管理を行うための費用になります。道路、公園、まちづくりに貢献します。

 

9. 消防費(12億円 歳出全体の1.2%)

消防費は、火災、風水害、地震等の災害から国民の生命、身体及び財産を守り、これらの災害を防除し、被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うため、消防行政を行うための費用になります。防災訓練や災害用の物資を設置するためにもつかわれます。

 

10. 教育費(226億円 歳出全体の23.1%)

教育費は、教育の振興と文化の向上を図るため、学校教育、社会教育等の教育文化行政を行うための費用になります。文京区の30年度決算では、スポーツセンターの改修工事や誠之小学校の改築等により、前年度から47億円、26.3%増の226億円となりました。

 

11. 災害復興費(記載されていないため省略します)

 

12. 公債費(10億円 歳出全体の1.0%)

公債費とは、市が国などから借り入れたお金の返済に使われる費用で、元金と利子の合計(元利償還金)からなります。

 

13. 諸支出金(記載されていないため省略します)

 

このように、それぞれの内容を見てみると区がどのようなことにどれだけ支出をしているのかがわかりますね。

 

文京区の30年度の歳出の特徴

最後に、文京区の30年度の歳出の特徴をみてみましょう。以下は年度別「目的別歳出」と「歳出決算額」の表になります。

 

文京区の30年度の支出で大きい額のものは、以下のようになっています。

・シビックセンター非常用発電設備の増設工事や用地取得等
・スポーツセンターの改修工事や誠之小学校の改築等

これにより「総務費」「教育費」「土木費」などの「投資的経費」が全体で179億円となり前年度に比べ74.0%、76億円増加しました。

・私立認可保育園の運営補助や高齢者施設の改修工事等

これにより「民生費」などの生活に困っている人々や子育てをしている世帯、 障害者などの生活を社会全体で支える費用である「扶助費」が全体で209億円となり前年度に比べ 5.1%、10億円増加しました。

このように具体的な政策を「目的別歳出」の項目で出し「歳出決算額」の項目で見直すと、その歳出がどのような目的で行われているか理解できますね。

 

文京区の30年度の歳出まとめ

いかがだったでしょうか。今回は文京区の歳出についてみてみました。一つの政策が何を目的としてお金を出しているかがわかるとより各自治体の特徴が見えてきますね。文京つーしんでは、今後も皆様の役立つ情報を配信しておりますのでよろしくお願いします。

  • twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア

コメントを残す

TOP

Copyright 文京つーしん,All Rights Reserved