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文京区の財政状況④文京区の区債(借金)について

投稿日:2020/08/22by 
文京区債権・区債イメージ

文京区が施設の建設などで、一時的に多くのお金が必要になった際には基金(貯金)の取り崩しを行う以外に区債(くさい)を発行するという方法があります。では、借金や資金調達とも言われる「区債の発行」とは一体どのようなものなのでしょうか。そこで今回は文京区の「区債」についてまとめてみました。

 

文京区の発行する区債とは?

まず、区債とはどのようなものなのでしょうか。

区債とは、資金を調達する際に発行する「借用証明書」である債券の分類の一つになります。政府や国が発行したものは「国債」、民間企業が発行したものは「社債」などと呼ばれ、区が発行したものを「区債」と言います。

「区債」は大まかには「地方債」の一つに分類され、特別地方公共団体である東京都の区が募る債券となっています。「特別区債」は東京都の23区が総務大臣や自治大臣との協議を経て発行できます。

次に「区債」について「地方債」という視点から詳しくみてましょう。

 

「区債」が分類される「地方債」とは

地方債については、財務省は以下のような定義をしています。

地方債とは、地方公共団体が財政上必要とする資金を政府資金や民間資金といった外部から調達することによって生じる「借金を返す義務」のことであり、その履行が一会計年度を超えて行われるものです。 

一言で言えば「地方公共団体が一会計年度を超えて行う借入れ」のことですね。

では、「区債」を発行した場合に文京区はどのような場所からお金を借りることになるのでしょうか。

 

文京区の「区債」の引受先

区債の引受先は資金面から分類すると、「公的資金」と「民間等資金」の2つに分けられます。

地方公共団体が「国や官僚」と「民間」の中間にあるような立ち位置なので、債券もそれに従っている感じがしますね。

では、それぞれの資金についてみてみましょう。

 

「区債」の分類①「公的資金」

区債の融資受け先である「公的資金」は、国・地方公共団体が注入するする資金のことを言います。具体的に事業別で見ると「財政融資資金」と「地方公共団体金融機構資金」にわけられます。

財政融資資金(ざいせいゆうししきん)

「財政融資資金」は文字通り、国からの資金の貸付・投資のことです。財務省が財政融資資金特別会計において国債を発行して資金調達したものであるのが特徴です。

地方公共団体が行う事業のうち、政策的な重要性や国の責任の度合いが高い投資的な事業については、財政投融資が活用されています。

地方公共団体金融機構資金

地方公共団体金融機構資金は、「地方公共団体金融機構(http://www.jfm.go.jp/)」が貸し付ける資金をいいます。

「地方公共団体金融機構」は地方公共団体金融機構法に基づく地方共同法人です。全地方公共団体が出資しており、地方公共団体の事業に対し、長期・低利で資金を融資することを目的としています。

出資を募る地方公共団体金融機構資金は、資本市場から資金を調達するために地方自治体から出資を受けた公的機関と言えそうですね。

続いて「民間等資金」についてみていきましょう。

 

「区債」の分類②「民間等資金」

「民間等資金」は、民間や銀行から集める資金のことを言います。事業別で見ると「市場等公募資金」と「銀行等引受資金」に分けられます。

それでは「市場公募資金」と「銀行等引受資金」のそれぞれをみていきましょう。

市場公募資金

「市場公募資金」は、地方債資金のうち、広く投資家に購入を募る方法により調達した資金をいいます。

「市場公募資金」は日本全体で毎月平均5,250億円(平成30年度)程度の規模を安定的かつ多様な年限で発行しています。全体としてのロットの大きさと流動性の高さが特徴です。市場公募地方債の多くが10年で償還される10年債ですが、5年債等の「中期債」や20年債や30年債といったさらに長い「超長期債」もあります。

この「市場公募資金」に含まれる「住民参加型市場公募地方債」は、文京区においても平成24年に「文京総合体育館の改築費用(http://www.chihousai.or.jp/03/03_03_12.html)」として公募を行いました。公募自体は、地方公共団体が収入不足を補うための資金調達のために不定期に行われるため、日頃からどのような公募が行われているか調べておく必要がありそうです。

銀行等引受資金

「銀行等引受資金」とは、指定金融機関やそれ以外の銀行・信用金庫・信用組合・農協あるいは共済組合等から借り入れるものです。「銀行等引受地方債」は、証券発行の方法によるものと証書借入の方法によるものがあり、既発行分のうち市場に流通しているものは購入することができます。

全国の市場公募地方債と銀行等引受地方債の発行額の推移は以下のようになっています。
※出典:総務省自治財政局地方債課

市場公募地方債・銀行等引受地方債の発行額の推移グラフ
市場公募地方債(10年債)の利回りおよび対国債利回り格差の推移グラフ

「市場公募地方債」と「銀行等引受債」は発行額が年率平均して13〜14兆円の間くらいで推移していることがわかりますね。「国債」と比較すると「市場公募地方債」の利回りが良かったり、「社債」と比べてデフォルトになる可能性が少ないため人気があるのも地方債の特徴といえます。

 

どのような場合に文京区は区債を発行するの?

では、どのような場合に文京区は区債を発行するのでしょうか。特別区債を発行することは「起債」と呼ばれ、総務大臣や自治大臣の協議が必要になるため自由に発行できるわけではありません。

そう考えると文京区には基金(貯金)もあるため、基金を切り崩して建設費などに当てれば良いので協議をおこなったり利息を支払わなければならないような区債を発行する必要はないと思われますね。

しかし、起債をする理由には、「一時的な経費負担増を軽減すること」や「世代間の公平性」があげられます。

学校や施設の建設といった長く利用される公共施設などは、建設にあたって一時的に大きなお金が必要となります。そこで今ある基金をつかって対応しまうと現世代の区民にかかる費用の負担だけが多くなってしまったり、その年に大きな出費が必要になったときに支払うお金がなくなってしまう可能性も出てきます。

そのため、施設建設など長く利用される公共施設などについては、区債を発行し一時的な経費負担増を軽減することで世代間の負担を公平にすることができます。

より多くの人たちに協力してもらうことで、一人当たりの負担を少なくできるのは債権の良いところですね。また、協力してもらった人も利回りを受けることができwin-winな関係と言えそうです。

 

文京区の特別区債の推移

それでは次に、文京区の特別区債の推移をみてみましょう。以下のグラフは平成21年度〜平成30年度の特別区債の金額の推移になります。文京区特別区債の金額推移グラフ

グラフからわかるように文京区の特別区債の残高は、計画的な返済により年々減少しています。30年度は、スポーツセンターの改修工事に12億円の起債を行いましたが、21年度の残高と比べて134億円減っているのがわかりますね。

文京区の中では、現在それほど古い建物や校舎などがないので、それほど区債を発行する必要がないのかもしれないですね。

まとめ

いかがだったでしょうか、今回は文京区の区債や借金についてまとめてみました。文京区の地方債の発行は頻繁に行われているわけではないのであまり利用する機会はないかもしれませんが、これを機会に各地方自治体の債権を調べてみると自治体の特徴がわかって面白そうですね。文京つーしんでは、文京区の役立つ情報をお送りしておりますので引き続きよろしくおねがします。

 

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