ミステリ好きであれば、誰でも一度は江戸川乱歩の作品に触れたことがあるでしょう。
江戸川乱歩が生み出した名探偵、明智小五郎の初登場作品は「D坂の殺人事件」です。
そのD坂のモデルとなっているのが、乱歩も一時期暮らしていたという団子坂なんですね。
乱歩の書くD坂には様々なお店があり、賑わっていたことがうかがえます。
では今の団子坂はどんな様子なのでしょうか?
団子坂の基本情報
東京メトロ千代田線、千駄木駅の一番出口を出てすぐ左に団子坂は存在します。
坂の両端に高い建物が並んでいるせいか、天気のいい日で会っても一日中あまり日当たりが良くありません。
坂の左右の道は狭く、その割に人通りが多いので、譲り合うことがしばしば。
坂の下から見ると、ひらがなの「く」を左右に反転させた形をしています。
その「く」の字の外側を坂の下から歩いてみました!
すると上りは1分49秒、下りが1分57秒という記録でした。
当方、歩く速度が普通程度の成人女性で、この記録から少し長めの坂だということがおわかり頂けるかと思います。
なかなかの傾斜で、自転車で上り下りしている人はほとんどおらず、いてもちびっこくらい。
坂の途中にある案内板によると、「坂の近くに団子屋があった」や「悪路のため団子のように転ぶから」というのが由来のようです。
この付近には乱歩だけではなく、森鴎外や夏目漱石といった文豪や、詩人・高村光太郎もこの坂の上に住んでいたそうです。
文豪の街として知られる文京区の中でも、彼らに特に愛された地域かもしれません。
坂を上り切った左側には森鴎外記念館もあります。
興味のある人はぜひ‼
D坂にはどんなお店があった?今は?
D坂の中程には白梅軒と呼ばれるカフェがありました。
「私」とその知人である明智小五郎はそのカフェにおり、向かいにある古本屋で起こった殺人事件に遭遇することになります。
カフェや古本屋以外にも時計屋、菓子屋、足袋屋、蕎麦屋がありました。
では今はどんなお店があるのでしょう?
まずは菓子屋(?)を発見
芋蜜匠 あめんどろやさんです♪
芋蜜とはさつまいもから作られたシロップだそう。
こだわりの大学芋や芋けんぴ、ソフトクリームにロールケーキが楽しめるようです。
さらに進んでいくと、カフェがありました。
エスプレッソファクトリーさんです。
気になったので店内へ
「D坂の殺人事件」の季節は9月初旬
蒸し暑く、語り手である「私」はアイスコーヒーを飲んでいます。
エスプレッソファクトリーさんは冬でもアイスドリンクを扱っています。
しかし、寒かったので、私は素直に店名にもなっているエスプレッソを注文しました。
お砂糖も頂けますが、ブラック党の私はそのままで(お砂糖をがっつり入れるのが正しい飲み方のようです)
独特な苦みの後に、すっきりとした酸味があります。
豆感が強く、コーヒー好きとしてはたまりません。
エスプレッソファクトリーさんを出た後も、D坂にあったようなお店を探し続けたのですが……ない!
その代わり、今の団子坂にはこんなお店がありました。
列挙すると……
・イタリアン
・ハンバーガー専門店
・石窯バルダイニング
・炭火焼鳥
・居酒屋
・小料理屋
・寿司屋
・餃子屋(他の中華もあるかも?)
・カレー屋
・お好み焼き屋
・たこ料理専門店
・パン屋
といった飲食店から、
・美容室
・ネイルサロン
・ブティック
・クリーニング店
・歯医者
・薬局(処方箋を受け付ける薬局であって、ドラッグストアではない)
・銀行
・不動産屋
・ヨガスタジオ
このようなサービスを受けられるようなお店です。
お店以外にもマンションやパーキング、児童館やポストもありました。
暮らすにはなかなか便利そうですね。
話を「D坂の殺人事件」に戻すと、団子坂の裏路地を出た角にはアイスクリーム屋がある設定になっています。
横道や裏路地を探索したところ、和菓子屋やバー、ワインカフェ等がありました。
残念ながらアイスクリーム屋は見つからず……
団子坂のお店も周辺のお店も、私が自分の脚で確認したものです。
漏れがあるかもしれませんが、悪しからず。
美味しいパン屋さんを発見!
せっかく来たので、エスプレッソ以外のものも楽しみたい!
そう思ってお邪魔したのがこちら、ベーカリー パルさんです。
坂の左側を上ってすぐのところにあるこのお店
水色の壁面とパン屋のおじさんの人形が目印です。
営業時間が朝7時からと早めです。
平日であれば朝に購入して職場や学校で食べたり、休日であれば出来立てのパンを朝から食べるといったこともできますね。
店内はいかにも町のパン屋さんといった感じで、どこか懐かしく、安心できる雰囲気です。
パンのラインナップはアンパンやカレーパン、チョココロネやお総菜系といった定番物が中心です。
パンの柔らかさや小麦の甘みを感じられるものが多そうです。
他にもクロワッサンやアップルパイといったバター多めのものやハード系ならバタール、もちろん食パンもあります。
どれも美味しそうでとても迷いましたが、私が選んだのはこちら。
ハムとチーズの入ったお総菜パンです
パンがふわふわで美味しい~♪
中に入っているハムやチーズはしょっぱすぎず、パンとの相性もいい感じです。
手を汚さずに食べられるのもうれしいですね!
もう一つがメロンパン
こちらのお店ではメロンパンだけでも複数種類の取り扱いがあります。
誰もがパッと思い浮かべるベーシックなメロンパンがまず一つ。
そのミニサイズ、そして切込みにホイップクリームは入っているものがあります。
そして「幻のメロンパン」なるものが存在します。
その正体がこちらです‼
リュックに入れて持ち歩いていたから、潰れている……!
お店に並んでいた時はもっと立体的で、美しい姿をしていました。
しかし、形は悪くなっても味は保証できます。
一見すると、メロンパンらしさは皆無のこのパン。
外側の白い部分を一口齧るとわかります。
メロンパンの、あのサクッとしたクッキー感と味がやってきます!
美味しいのは外側だけではありません。
中にはたっぷりのカスタードクリームが!
重めのカスタードクリームにも関わらず、全くしつこくないのが不思議です。
たくさん入っているのにパン生地と上手く絡み、こぼれ落ちないので安心して食べることができます。
外側も中身もずっと甘いのに、味のバランスがいいせいか、なぜか飽きが来ません。
ちなみに店内にイートインスペースはないため、このパンは団子坂からも近い須藤公園で食べています。
パンくずをこぼすと鳩が狙ってやってくるので、ご注意ください。
飲み物が欲しい方は紙パックのドリンクを店内で購入することもできます。
外で食べるときは、パンのお供にどうでしょう?
団子坂まとめ
今の団子坂にD坂にあったようなお店はあまりありませんでした。
しかしD坂同様、たくさんの店があり、賑わいを見せていました。
朝から夜まで、美味しいものでお腹を満たせそうです。
谷根千散歩の選択肢の一つとして、文豪の歴史を感じながら散策してみてはいかがでしょう?
殺人事件も起こらなそうなので、安心してきてください(笑)
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