市民の憩いのある場である公園
住宅街の真ん中にあると言われたら、カラフルな遊具が並ぶ児童遊園を思い浮かべる人が多いでしょう。
ところがこの須藤公園は違います。
そこで今回はちょっと大人向けの、この須藤公園の魅力をお届けしたいと思います。
須藤公園の基本情報
東京メトロ千代田線の千駄木駅の2番出口から徒歩約2分
狭い脇道を抜けると現れるのが須藤公園です。
入口は四つあり、駅から一番近いのは南東入り口になります。
南東入り口付近は一部瓦塀に覆われており、それだけで普通の公園でないことがうかがえます
公園内にある案内板によると、元々加賀金沢藩の支藩である大聖寺(だいしょうじ)藩の下屋敷(庭園などの別邸)だったそうです。
長州出身の政治家である品川弥次郎の手に渡ったのち、実業家の須藤吉右衛門に買い取られたのこと(注:文京区のHPには吉「左」衛門とあり、文京区のみどり公園課に確認をしたところ、古い登記簿では「右」、文京区の発行した古い書籍では「左」、他「左右」の表記がないものもあり、どれが正しいのか正確にはわからないそうです)
庭園は須藤家により、大名庭園の趣を損なわないよう保存されたようです。
その後、東京市に寄付され、公園に須藤家の名前が残ったという歴史があります。
つまり庭園の名残を留める公園なのです。
しかも、文京区ならではの起伏の激しい土地を利用して作られた回遊式の庭園です。
住宅街の真ん中にあることから、近所の人の抜け道にもなっているよう。
こんな風情のあるところを日常的に歩けるなんて、うらやましい限りです。
須藤公園内には何がある?
入ってすぐ左手に井戸水を汲み上げるためのポンプが
古いから使えないだろうと思って隣にある看板を見たところ、「この井戸水は飲めません」(災害用の水です)とありました。
ということは、ポンプもまだまだ現役なのでしょう!
庭園の中心には大きな池があります。
こんな注意書きも
「そんなまさか……」と思いつつも、よーく池を見ると……
いました!!
河童に見えなくもないですね(笑)
こんな遊び心にほっこりしてしまいます。
池の中には弁財天が祀られています。
「公園」と名前の付く場所に祀られているのは珍しいのではないでしょうか?
池を中心に時計回りに進み、階段を上ると四阿(「しあ」と読みます。東屋ですね)があります。
一番高いところまで登り、池を見下ろすと、とても高いところにいることがよくわかりますね
今でこそ見えませんが、東京湾と房総半島を見ることができたそうです。
公園で一番高いところにある上段広場には、ブランコ二台と滑り台があります。
ちなみに園内の遊具はこの二つだけです。
この上段広場を抜けると左が北西入口、右が須藤の滝となっています。
そう、それほど大きい公園でもないのに、高さ約10mもの滝が存在するのです……!
流石は元大名屋敷といったところでしょう。
高い木々に囲まれ、鳥のさえずりを聴きながらこの滝を見ていると、都会の真ん中にいることを忘れてしまいそうになります。
自然の清らさかに心を洗われた気分になり、家に帰って文京区のHPを見たところ、驚愕!
「午前十時から午後四時まで流れています」とあり、機械でコントロールされているようです
それでもきれいですし、癒されることに間違いはないので、行った際にはお見逃しなく!
さて、気を取り直して紹介を続けたいと思います。
段差のある階段を下り、低いところまで戻ってくると、下段広場にたどり着きます。
こちらには藤棚があります。
時期ではないので藤の花を見ることができませんでしたが、四季折々を感じることができるのも素敵ですね。
この下段広場は園内でも唯一と言っていい広場ではありますが、ボールを蹴ったりするほどの広さではありません。
他にはどんなものがある?
ここまでは須藤公園の特徴を紹介しました。
今度は公園としての設備についてお届けしたいと思います。
まず、南東入り口から入って左に和風の建物が見えます。
休憩所でもあるのかと思いきや、トイレです。
園内の風景に馴染んでいるので、嫌悪感をあまりありません。
どれくらい馴染んでいるかというと、これくらいです。
左奥にあるクリーム色の壁の建物がトイレです。
見た目は和風ですが、中身は洋式でした。
女子トイレは個室が二つ。
それぞれに赤ちゃんを座らせてられるイスがついていました。
トイレットペーパーもあり、ティッシュを切らしていても安心です。
公園のトイレというと汚いイメージしかありませんが、こちらはとてもきれいです。
さすがにクリーナー等はついていませんが……笑
あと臭くないのもうれしい……!
洗面台は一つ、蛇口をひねらずとも自動で水が出るタイプです。
多目的トイレもあるので、どんな方でも安心して来られますね。
なお男子トイレも存在しますが、当方、女性のため確認することができず……
女子トイレ同様、おそらくきれいだろうとは想像しています。
他に公園に欠かせないものと言えば、ベンチがありますね。
園内全てのベンチを数えたところ、二人掛けのベンチが上段広場に一つ、下段広場に五つ、計六つでした。
広さの割には多くはありません。
あとは水飲み場ですね。
立ったまま飲める、公園にある典型的なものを想像してください。
あれが上段広場と下段広場に一つずつありました。
ゴミ箱はないので、きちんと家に持ち帰るようにしましょう!
須藤公園はピクニックやお花見には向かない
休日に日向ぼっこをしながらピクニックをするのって楽しいですよね。
気軽にできますし、リフレッシュもできます。
でも、この須藤公園はピクニックには向かなそうです。
前述した通り、ベンチが少ないのです。
しかもそれぞれが離れて位置しています。
確かにベンチがなくとも、シートを広げればピクニックはできます。
しかし、開けた場所が少なく、芝生もありません。
下段広場にはシートを敷くスペースがありますが、地面は土
砂ぼこりがたくさん舞います。
例え風のない日であっても、お散歩している鳩たちが飛ぶと、一気に舞います。
おにぎりが砂まみれになります!!(涙)
園内にはクスノキ、ササ、藤棚といった自然がありますが、桜はないようです(冬に素人確認した情報ですので、あったら申し訳ないです)
なので、お花見にも向いてはなさそうです。
レジャー要素を求めるのであれば、他の公園の方がよさそう、というのが感想です。
須藤公園のまとめ
なかなか見ごたえのあるこちらの公園、入場料はなんと無料!
須藤公園のおすすめの楽しみ方はやはり庭園を楽しむことでしょう。
どこを切り取っても絵になるため、カメラで撮影をするのも良さそうです。
高低差があるので運動にもなり、散歩コースとして取り入れるのも健康のためにいいかもしれません。
ただし園内は一部段差のきつい階段もあるため、特に女性は靴に気をつけてお越しください。
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