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文京区にある小石川植物園ってどんなところ?歴史や施設など

投稿日:2022/08/06by 
文京区にある小石川植物園ってどんなところ?歴史や施設など

文京区にある小石川植物園は、年間約120,000人の来園者がある植物園です。日本に現存する最も古い植物園となっており、多種多様な植物の生態をみることができます。今回はこちらの小石川植物園についてまとめてみました。

 

小石川植物園とは

小石川植物園は、国立大学法人東京大学大学院理学系研究科附属植物園とも呼ばれ、植物学の教育・研究を目的とする東京大学の施設です。東京大学の植物園は、東京都の「小石川植物園」本園の他に、栃木県日光市にある「日光植物園」分園があります。

小石川植物園は、総面積160,787㎡(48,635坪)の敷地内に台地、傾斜地、低地、泉水地といった地形を利用して様々な植物が栽培されています。また、植物園の敷地内では温室栽培もおこなっており、熱帯や亜熱帯の珍しい植物も見ることができます。

小石川植物園の温室にある植物

 

小石川植物園の起源・歴史

では、小石川植物園の起源はいつ頃なのでしょうか。

小石川植物園は、貞享元年(1684年)に徳川幕府南の「御楽園」と将軍御成の御殿があった「麻布御薬園」が、白金から小石川御殿の地に移転したことに起源があります。当時、薬用植物園であった麻布御薬園は、将軍徳川綱吉の新殿である白金御殿の拡張のために廃止され、小石川御殿(白山御殿)の北側に移されました。こちらが小石川御薬園となり、現在の小石川植物園の前身となっています。

この名残として、現在の小石川植物園の南東側を通る坂道は「御殿坂」と呼ばれています。

御薬園(おやくえん)とは

麻布御薬園や小石川御薬園に見られる「御薬園」とはどのようなものだったのでしょうか。

当時の「薬園」あるいは「御薬園」は、薬用植物園を指す言葉でした。御薬園は、当時使われていた漢方を朝鮮半島や中国などからの輸入に頼らず自給すること、正しい薬草の知識の普及をさせることを目的として作られました。小石川御薬園は、漢方の製薬工場としての役割を担っており、国内の中心的な薬草・薬草木の供給地であるとともに、貧民救済の医療施設である小石川養生所としての役割もありました。

現在の小石川植物園の園内にも小石川養成所時代の井戸が残っています。

小石川養成所時代の井戸

小石川養成所時代の井戸

明治時代初期には、東京府や文部省の管轄になりますが、最終的には明治10年に東京大學の所属となります。当時の東京大學の西洋の植物学の実習の際には小石川植物園から材料が運ばれており、この頃の一般観覧は週に一回程度でした。

大正8年の関東大震災や昭和20年の第二次世界大戦時には研究活動の停止はありましたが、現在でも東京大学の一つの施設として機能しています。

 

現在の小石川植物園

現在の小石川植物園は、平成13年(2001年)に東京大学総合研究博物館小石川分館としてオープンされ、一般公開されています。現在の小石川植物園のおおよその地図は以下のようになります。

小石川植物園地図

小石川植物園地図

 

小石川植物園にある施設

次に、小石川植物園にある施設や見所について見ていきたいと思います。

公開温室・研究温室

公開温室や研究温室では、小さな別棟を含めた総面積約1250㎡を熱帯、温帯、乾燥地、高山冷温室などの6室に区切り、約600種の植物を育成しています。こちらの温室の設計は、久米建設が担当しており、鉄骨造りにアルミ材とガラスを取り付けた構造となっています。温室内は外の光を十分に取り入れた明るい空間となっています。

小石川植物園の公開温室外観

小石川植物園の公開温室

公開温室は一般の方でも入ることができます。総面積500㎡の温室の中では、小笠原諸島の植物、熱帯・亜熱帯の野生植物が育成されています。

柴田記念館

柴田記念館は、植物界におけるフラヴォン体の研究をおこなった柴田桂の寄附により建てられた建物です。大正8年から昭和9年までの期間はここで柴田桂先生と、門下生によって植物学の研究が行われていました。その教室は昭和9年に本郷へ移転しましたが、現在でも建物は残されており、ミュージアムショップなどとして利用されています。

柴田記念館

柴田記念館

日本庭園

小石川植物園の日本庭園は、第5代将軍徳川綱吉の幼時の屋敷であった白山御殿の庭園に由来します。こちらの庭園は、遠州派の流れを汲むもので、自然の地形を巧みに取りいれた江戸の庭園技術を受け継いでいるものとなっています。

庭園の一角には、旧東京医学校の本館があります。旧東京医学校本館は、東京大学に関係する建造物では現存する最古のものとして国の重要文化財に指定されています。

小石川植物園の日本庭園

日本庭園

小石川植物園の本館(関係者以外は立ち入り禁止)

小石川植物園の本館には、東京大学大学院理学系研究科に属する研究室があります。ここでは、植物分類学・系統学などの植物の進化多様性の研究や、植物生理学の研究が行われています。また、東京大学植物標本庫、図書館もあり、約70万点の植物標本や図書が保存されています。

小石川植物園の本館

本館

 

小石川植物園の文京区内の住所・アクセス

最後に、小石川植物園の住所とアクセスについて見ていきましょう。小石川植物園の住所は東京都文京区白山3-7-1となっています。

小石川植物園のアクセス

小石川植物園のアクセスは以下の通りです。植物園は若干駅から離れていますのでご注意ください。

【電車の場合】

都営地下鉄三田線「白山駅」 A1出口 徒歩約10分

東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」出入口1 徒歩約15分

【バスの場合】

茗荷谷駅から文京区コミュニティバスB-ぐる乗車、「共同印刷」徒歩約3分

都営バス(上60)大塚駅~上野公園線 白山2丁目下車 徒歩約3分

 

文京区小石川植物園まとめ

いかがだったでしょうか。文京区民ならお馴染みの小石川植物園ですが、世界的にも有数の歴史ある植物園のようです。季節によって様々な表情を見せてくれる植物園は植物の知識も増えて勉強になりますね。文京つーしんでは、皆様の役に立つ情報を配信しておりますので、引き続きよろしくお願いします。

 

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◼︎ 詳細情報

参考文献

塚谷裕一 他
小石川植物園と日光植物園

小石川植物園詳細情報

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