文京区には、都立中等教育学校である東京都立小石川中等教育学校があります。現在(令和4年4月1日)では、都立の中等教育学校は5校しかなく、どのような学校なのか気になる方もいるのではないでしょうか。そこで今回はこちらの東京都立小石川中等教育学校についてまとめてみました。
中等教育学校と中学校との違い
初めに、中等教育学校とはどのような学校なのかについて見ていきたいと思います。
日本の通常の教育現場の学生は、小学校6年、中学校3年、高等学校3年という期間で学校に通うことになっています。一方、中等教育学校では、6年をかけて中学校と高等学校で学習する範囲の教育を前期課程と後期課程に分けて受けることになります。それにより、6年間という期間で教育プログラムを組みことができるため、学校独自の取り組みを行うことができるようになります。
従って、中学校は3年間、中等教育学校は6年間という学習期間の違いがあり、中等教育学校は中高一貫校のひとつと考えられています。
東京都立小石川中等教育学校の特徴
東京都立小石川中等教育学校は、1918年に東京府第五中学校として創立しました。1950年には東京都立小石川高等学校と改称されます。その後、2006年に都立初の中等教育学校として改変され中高一貫校として開校しました。
学校は、男女共学となっており、通常の高等学校に相当する後期課程からの入学者は募集していません。
都立小石川中等教育学校では、初代校長であった伊藤長七(ちょうしち)以来、自然科学を主とする「科学者を輩出する学校」として理数教育・理化学教育に力を入れており、「原理は後にして先ず事実」の方針より、物理・化学・生物・地学の各分野の専門実験室と専門の教員を配置しています。
また、近年は国際理解にも力を入れており、公立校ながら独自の教材を用いた授業や海外への語学研修・修学旅行もあります。
東京都立小石川中等教育学校の住所・アクセス
東京都立小石川中等教育学校の住所は、東京都文京区本駒込2-29-29となっています。
東京都立小石川中等教育学校のアクセス
小石川中等教育学校のアクセスは以下のようになります。
都営三田線「千石駅」徒歩3分
山手線/都営三田線「巣鴨駅」徒歩10分
山手線/東京メトロ南北線「駒込駅」徒歩13分
千石駅からは、不忍通り沿いに歩いて行くと右手に校舎が見えてきます。
小石川中等教育学校の教育理念・教育方針
次に、東京都立小石川中等教育学校の教育理念や教育方針についてみていきましょう。
教育理念・建学の精神
小石川中等教育学校の教育理念・建学の精神は以下のようになります。
「立志」・「開拓」「創作」
これらの理念は三校是と呼ばれ、「自ら志を立て、自らが進む道を自らが切り拓き、新しい文化を作り出す」という意味で、府立五中の初代校長である伊藤長七が説いた言葉として大正7年に創立して以来、100年以上に渡って継承されています。
育てたい生徒像
小石川中等教育学校の「育てたい生徒像」は以下のようになります。
・現状に満足せず、高い志をもち、自らの個性と能力を自ら開拓する生徒
・国際社会に生きる日本人として、幅広い教養と豊かな感性及び高い語学力を身に付けた生徒
・自然科学など様々な場面・分野で活躍できるリーダーを目指す志の高い生徒
東京都立小石川中等教育学校の教育実践
東京都立小石川中等教育学校では、創立以来独自の教材を用いた授業が行われていますが、メインとなっている教育実践の一部を取り上げたいと思います。
理系教育・SSH事業
東京都立小石川中等教育学校は、将来の国際的な科学技術関係の人材を育成するため、国が先進的な理数教育を実施する学校であるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されています。
そのため、6年間を貫く課題研究の課程として基礎的スキルの習得からプレ課題研究や発信力の向上などそれぞれの学年にあったスキルへの取り組みを行っています。
また、課題研究に取り組む中で出てきた疑問や課題発見のヒントを得ることを目標として大学や企業との連携を深め、専門家による講習や講座、研究室訪問などもあります。
すべての教科・科目を学ぶ(小石川教育主義の一つ)
東京都立小石川中等教育学校では、6年間を通してクラスを文系理系に分けることなく、全ての教科・科目を学ぶことで、広く深い知識に裏付けられた教養を養います。
国際理解教育
東京都立小石川中等教育学校は、令和4年4月1日から、令和7年3月31日までの期間、東京グローバル人材育成指針に基づく先進的な取り組みを推進する学校としてGlobal Education Network 20に指定されています。
小石川中等教育学校は「対話・理解グループ」に該当しており、語学研修やオンライン英会話、外国人教員の積極的活用といった実践が行われています。
小石川中等教育学校の受験情報
最後に東京都立小石川中等教育学校の受験情報についてみていきましょう。
東京都小石川中等教育学校の受験日は、令和5年の場合、2月1日(水)に特別枠の検査、2月3日(金)に一般募集が行われます。この時期には、他の私立の中学校の入学試験が行われているため、併願の希望の方は日程の確認が必要です。
試験内容は、特別枠では報告書と面接・作文、一般枠では報告書と適性検査の総合成績によって合否が決まります。
特別枠募集では、自然科学分野の全国的なコンクール等に入賞し、入学後もその能力の伸長に努めることができるものを募集するため、全国科学コンクール個人の分で上位入賞した学生を対象にしています。
報告書は小学校の通知書にあたり、小学校5年生と6年生の教科の評定を各学年225点の合計450点で点数化します。一般枠の適性検査Ⅰ、適性検査Ⅱ、適性検査Ⅲの検査はそれぞれ100点満点となっており計300点満点となります。最終的には、両方の結果を報告書200点、適性検査600点満点に換算して総合した得点合計の800点満点が一人当たりの成績として用いられます。
前年の適性検査の問題と解答等は、ホームページから確認することができます。
令和4年度の生徒募集は男子80名、女子80名の計160名でした。一般の募集人数は、男女別の全体の募集人数から特別枠募集における入学手続人員を差し引いた人数としています。令和4年度では、特別枠の募集は5名以下となっています。
東京都立小石川中等教育学校のまとめ
いかがだったでしょうか。東京都立小石川中等教育学校は東京都立初の中等教育学校であり、未来の科学者を育成している学校であることがわかりましたね。学校は文京区内でも六義園や大和郷といった由緒ある地域に隣接学校であるため気になりますね。文京つーしんでは、皆様の役に立つ情報を配信しておりますので引き続きよろしくお願いします。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。