
東京都文京区は、19の地域に分かれており、それぞれに個性と特色があります。その一つである関口は、神田川が流れる江戸川橋エリアから続く高台に位置し、かつて著名な政治家が多く居を構えた地域としても知られています。今回は、この文京区関口エリアの歴史と魅力についてご紹介します。
文京区関口とは、
文京区関口は、東京都文京区の地域の一つで、文京区の中でも西側に位置します。

令和7年8月現在の関口エリアは、総面積0.439㎢、世帯数4,780世帯、総人口8,241人となっています。地域内には神田川が流れており、関口二丁目と三丁目は音羽通りを谷として関口台の台地へと続く比較的急な勾配となっています。
関口台地の縁で湧水となっている緑地には、南斜面下の江戸川公園や新江戸川公園、椿山荘があり、南側を神田川が流れています。
文京区関口の歴史・名前の由来
昭和42年(1967年)1月1日の住居表示実施により、現在の関口一丁目から三丁目が成立しました。まず一丁目は、小日向東古川町・西古川町・松ヶ枝町・小日向町の全域に、関口水道町と関口台町の一部を加えて成立しました。続いて二丁目は、桜木町と関口水道町の一部、関口駒井町の全域、さらに関口町の一部を合わせて誕生しました。さらに三丁目は、関口台町と関口町のそれぞれ一部をもとに成立しています。なお、もともと関口町であった地域は、その後、関口二・三丁目や目白台一丁目に編入されました。
関口の名前の由来
関口の地名の由来の一つが、井の頭池から始まる神田上水に設けられた大洗堰(おおあらいせき)にちなんでいると言われています。神田上水がこの地で取水され、余水は江戸川に落とされていたために、滝となり「関口大滝」と呼ばれていました。
日本では、徳川家康が江戸に入府する際に日比谷周辺までが海となっており、地下を掘っても海水であったため飲用水の確保として小石川上水を作ったのが本格的な上水道の始まりとされています。その後、小石川上水は三代目徳川家光の時代に神田上水に拡張されました。
上水道についての詳細はこちらの記事でも扱っています。
関口の住所
文京区関口は、関口一丁目から三丁目に分かれています。以下ではそれぞれの地域についてみていきます。

関口一丁目
関口一丁目は、関口の中でも神田川よりも南側に位置する地域になります。新宿区との境界がわかりずらいですが、おおよそ新目白通り(都道8号線)や地蔵通り商店街などが境界となっています。
関口一丁目は、江戸川橋駅周辺に商店街や飲食店が集まっており、人通りの多いエリアとなっています。一丁目の中でも商店街周辺や神田川南側に住宅街がみられます。関口の中では最も世帯数、人口が多く、令和7年8月現在で世帯数1293世帯、総人口2,181人となっています。
関口二丁目
関口二丁目は、神田川の北側から目白通りまでのエリアに位置します。この地域にはホテル椿山荘や江戸川公園といった広大な敷地があり、住宅街は目白坂や目白通り沿いに集中しています。公園や庭園が広がるため、自然が豊かに感じられるのも特徴です。令和7年8月現在の世帯数は622世帯、総人口は618人となっています。
関口三丁目
関口三丁目は、目白通り北側と、東京カテドラル聖マリア大聖堂周辺までがエリアとなります。大聖堂や獨協中学・高校、関口台公園といった施設があります。
三丁目の人口はそれほど多くはなく令和7年8月現在世帯数671世帯、総人口1251人となっています。
関口の住みやすさ・教育について
文京区関口は、新目白通り(都道8号線沿いに)スーパーマケットが数店舗あり、江戸川橋通りには地蔵通り商店街があります。
目白通り沿いにある関口フランスパンは、日本で初めて本格的なフランスパンを製造した店と知られるなど歴史あるお店も所々にあります。
また、新宿区と隣接しており、神楽坂や早稲田大学などからも近いため、様々な人々が行き交うエリアとなっています。
教育・子育てについて
教育については現在、区立の中学校は関口地域に無くなってしまったため、音羽中学校が学区となります。そのため、通学が大変に感じる子もいます。一方で、子育ての際に利用できる広い公共施設の公園があったり、私立の学校は近所にあるため子育ての選択肢としてあげられます。
利用できる駅・バス停
文京区関口には関口一丁目に有楽町線の「江戸川橋」駅があります。
そのほかには、目白通りを西へ行くとJR「目白」駅や副都心線「雑司ヶ谷」駅なども候補になります。
利用できるバス停
関口では、都営バスとして江戸川橋、関口一丁目、ホテル椿山荘東京前が利用できます。その他、文京区コミュニティバスBーぐるでは江戸川橋駅、江戸川公園、関口二丁目、ホテル椿山荘東京が利用できます。
関口エリアの区立小・中学校の学区について
では、関口エリアでは区立の小学校・中学校の学区はどのようになっているのでしょうか。
関口エリアの区立小学校について
関口には、文京区の区立小学校として関口台町小学校があります。その他、関口が学区となる区立小学校は、関口台町小学校と小日向台町小学校となっています。それぞれの学校については、関口台町小学校と小日向台町小学校の記事でも扱っておりますのでご確認ください。
関口エリアの区立中学校について
関口には、文京区の区立中学校はありません。そのため、関口が学区となる区立中学校は音羽中学校のみとなっています。
音羽中学校の詳細につきましては、こちらの記事でも扱っておりますのでご確認ください。
関口にある施設
最後に、関口にある施設についてみていきたいと思います。
椿山荘
椿山荘(ちんざんそう)は、文京区関口にある宴会施設・ホテルのある庭園です。四季折々の表情を見せる庭園は一般にも解放され、椿や桜など植物、三重塔といった史跡を楽しむことができます。椿山荘の歴史ついてはこちらの記事でも扱っております。

江戸川公園
江戸川公園は、関口台地の南斜面、神田川沿いに東西に細長く広がる公園です。かつては台地の斜面に自生する雑木林と園路を中心とした公園でしたが、昭和59年(1984年)の神田川拡幅工事に伴い改修されました。
園内は細長い形状のため、園路を歩くとさまざまな景色がパノラマのように展開します。川沿いにはソメイヨシノが並び、春には見事な桜並木となります。園路は途中で二手に分かれ、重量感のある石が添えられた石の広場や、西洋風の山小屋を模した時計塔付きの四阿(あづまや)、藤棚のあるテラスなど、変化に富んだ景観を楽しめます。さらにテラスの先には石組みの池があり、ここでは神田上水の取水口として使われていた大洗堰が復原されています。

芭蕉庵
関口芭蕉庵は、文京区関口二丁目にある松尾芭蕉に関係する施設です。芭蕉庵は、江戸時代に神田上水の改修工事にたずさわった芭蕉を慕う人々によって建てられた「龍隠庵」が現在の「芭蕉庵」となっています。関口芭蕉庵の池泉は、湧水により作られたもので「東京の名湧水57選」に選ばれています。当時の建物は一度戦火でしたため、現在の建物は第二次世界大戦後の再建されたものとなっています。芭蕉庵と神田上水についてはこちらの記事で扱っています。

文京区関口まとめ
いかがでしたでしょうか。文京区関口は、著名な政治家が暮らしたことでも知られ、文京区内でも自然に多く触れられるエリアです。一軒家も多く、地域の特性上なかなか住む機会は限られるかもしれませんが、それだけに独自の魅力を備えていそうですね。文京つーしんでは皆様の役にたつ情報を配信しておりますので引き続きよろしくお願いします。
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